はじめての格安SIM

格安SIMは災害時に繋がらない?家族の命を守るための3つの連絡方法とは?

格安SIMを使っていると、災害時にちゃんと連絡が取れるのか不安になることはありませんか。
「大手キャリアの方が安心なのでは」「いざという時に家族と連絡が取れなかったらどうしよう」という心配を抱えている方は少なくありません。

実は、「格安SIMだから災害時に繋がらない」というのは、半分正解で半分誤解とされています。
格安SIMは大手キャリアの回線を借りて運営されているため、基本的には同じ条件で通信できます。
ただし、格安SIM特有の弱点があることも事実です。

この記事では、格安SIMの災害時における実態を正しく理解していただき、家族の命を守るために今すぐ準備できる3つの連絡方法を具体的にご紹介します。
読み終わる頃には、格安SIMユーザーでも安心して災害に備えられるようになるはずです。

結論:格安SIMでも災害時の連絡は可能だが、複数の連絡手段を準備することが重要

結論:格安SIMでも災害時の連絡は可能だが、複数の連絡手段を準備することが重要

まず結論からお伝えしますと、格安SIMだからといって災害時に全く使えなくなるわけではありません。
格安SIMは大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)の回線を借りて運営されているため、通信インフラの基本的な状況は大手キャリア契約者と同じです。

ただし、格安SIMには以下のような弱点があるとされています。

  • 借りている帯域が少ないため、混雑時にデータ通信が遅くなりやすい
  • キャリア独自の災害伝言板が使えない場合がある
  • データ専用SIMでは110番や119番に電話できない
  • SIMフリー端末では緊急速報が届かないケースがある

これらの弱点を補うために、「災害用伝言ダイヤル(171)」「SNS・メッセージアプリ」「00000JAPAN(公衆Wi-Fi)」という3つの連絡方法を事前に準備しておくことが大切です。

格安SIMの仕組みを正しく理解し、複数の連絡手段を用意しておけば、大手キャリアユーザーと同等以上の備えができると考えられます。

なぜ「格安SIMは災害時に繋がらない」と言われるのか

なぜ「格安SIMは災害時に繋がらない」と言われるのか

格安SIMに対する災害時の不安は、仕組みを正しく理解していないことから生まれていることが多いとされています。
ここでは、格安SIMの通信の仕組みと、災害時に起こりうる状況について詳しく解説します。

格安SIM(MVNO)は大手キャリアの回線を借りている

格安SIMを提供している事業者は「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれています。
MVNOは自社で基地局や通信インフラを持っておらず、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリア(MNO)から回線を借りてサービスを提供しています。

つまり、格安SIMユーザーが使っている電波は、大手キャリアユーザーと全く同じ基地局から発信されているということです。
「格安SIMだから災害で基地局が壊れて使えない」ということは原則としてありません。
基地局が被災すれば、その基地局を使っている大手キャリアユーザーも格安SIMユーザーも、同様に影響を受けます。

災害時の通話制限は格安SIMも大手キャリアも同じ

大規模災害が発生すると、被災地への電話が一斉に集中します。
この状態を「輻輳(ふくそう)」と呼び、電話回線がパンクして繋がりにくくなる現象が発生します。

このとき、各キャリアは110番、118番、119番などの緊急通報を優先するために、一般の音声通話に制限をかけます
この制限は回線全体に対して行われるため、大手キャリア契約者であっても格安SIM契約者であっても、同じように電話が繋がりにくくなります。

「格安SIMだから電話が繋がらなかった」と感じた方がいたとしても、実際には大手キャリアユーザーも同様に繋がりにくい状況だった可能性が高いとされています。

格安SIMの「弱い部分」はデータ通信の混雑

格安SIMが大手キャリアと異なる点は、借りている帯域(通信の道幅)の広さです。
格安SIMは大手キャリアの回線の一部を借りているため、帯域が狭く、混雑時に速度が低下しやすい傾向があるとされています。

平時でも、昼休みの時間帯や夕方のラッシュアワーに通信速度が遅くなることを経験された方もいるかもしれません。
災害時は多くの人がスマートフォンで情報収集や安否確認をしようとするため、データ通信も混雑します。
このとき、格安SIMユーザーは大手キャリアユーザーよりも通信速度の低下を感じやすい可能性があります。

ただし、「全く使えない」わけではなく、「繋がりにくい」「速度が遅い」という状況になりやすいということです。

データ専用SIMでは緊急通報ができない重大なリスク

格安SIMの中でも特に注意が必要なのが、データ通信専用SIMです。
音声通話機能が付いていないデータ専用SIMでは、110番(警察)、118番(海上保安庁)、119番(消防・救急)への緊急通報ができません。

また、LINEやSkypeなどのIP電話アプリを使った通話でも、110番や119番には発信できない仕組みになっています。
「通話はLINEで十分」と考えてデータ専用SIMを選んでいる方や、お子さん用のスマートフォンにデータ専用SIMを入れている方は、緊急時に救急車や消防車を呼べないという重大なリスクがあります。

この点は格安SIMに限った話ではありませんが、格安SIMではデータ専用プランを選びやすい傾向があるため、特に注意が必要とされています。

SIMフリー端末では緊急速報が届かない場合がある

格安SIMを使う際に、SIMフリースマートフォンを使用している方も多いと思われます。
SIMフリー端末の一部では、大手キャリアが配信する緊急速報(緊急地震速報、津波警報、Jアラートなど)を受信できないケースがあるとされています。

これは、緊急速報の配信方式がキャリアや端末メーカーによって異なることが原因です。
海外メーカーのSIMフリースマートフォンでは、日本の緊急速報に対応していない場合があります。

この問題への対策として、防災アプリのインストールが推奨されています。
「Yahoo!防災速報」や「NHKニュース・防災」などのアプリを入れておけば、プッシュ通知で緊急情報を受け取ることができます。

家族の命を守るための3つの連絡方法

家族の命を守るための3つの連絡方法

災害時には「電話が繋がらない」ことを前提に、複数の連絡手段を準備しておくことが重要です。
総務省や通信事業者も、災害時の安否確認には電話ではなく、メッセージを残せるサービスの利用を推奨しています。

ここでは、格安SIMユーザーでも確実に使える3つの連絡方法を具体的にご紹介します。

連絡方法1:災害用伝言ダイヤル「171」と災害用伝言板「web171」

災害時の安否確認手段として最も確実なのが、NTT東日本・西日本が提供する「災害用伝言ダイヤル(171)」と「災害用伝言板(web171)」です。
これらのサービスは格安SIMからも問題なく利用できます。

災害用伝言ダイヤル「171」の使い方

災害用伝言ダイヤルは、電話回線を使って音声メッセージを録音・再生できるサービスです。
使い方は以下の通りです。

【メッセージを録音する場合】

  • 「171」に電話をかける
  • 「1」を押す(録音)
  • 自分の電話番号を入力
  • 30秒以内でメッセージを録音

【メッセージを再生する場合】

  • 「171」に電話をかける
  • 「2」を押す(再生)
  • 安否を確認したい人の電話番号を入力
  • 録音されたメッセージを聞く

災害用伝言ダイヤルは、大規模災害発生時に開設されます。
また、毎月1日・15日や、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)などに体験利用ができるようになっているとされています。

ぜひ平時のうちに家族で練習しておくことをおすすめします。

災害用伝言板「web171」の使い方

web171は、インターネットを使ってテキストメッセージを残せるサービスです。
パソコンやスマートフォンから「https://www.web171.jp」にアクセスして利用します。

  • 自分の電話番号を入力してメッセージを登録
  • 家族の電話番号を入力してメッセージを確認
  • 100文字までのテキストメッセージを残せる

web171は、Googleパーソンファインダーなど他の安否確認サービスとも連携しており、複数のサービスに登録された安否情報を一括で検索できる仕組みが整いつつあります。

キャリアの災害伝言板との違い

大手キャリアにはそれぞれ独自の災害伝言板サービスがありますが、これらはそのキャリアの契約者のみが利用できる場合があります。
格安SIMユーザーは、キャリアの災害伝言板が使えないことがあるため、NTTの「171」や「web171」を使う方が確実です。

家族との間で「災害時は171に伝言を残す」というルールを決めておくことで、契約しているキャリアに関係なく安否確認ができます。

連絡方法2:LINE・Twitter(X)などのSNS・メッセージアプリ

災害時の連絡手段として、SNSやメッセージアプリが非常に有効であることが、過去の災害でも実証されています。

なぜSNSが有効なのか

音声通話は、発信者と受信者が同時に回線を使う必要があります。
そのため、回線が混雑しているときは繋がりにくくなります。

一方、メッセージアプリは「パケット通信」を使っており、データを小さな単位に分けて送信します。
回線が混雑していても、少しずつデータを送ることができるため、音声通話よりも繋がりやすい傾向があります。

また、相手がすぐに返信できなくても、メッセージを残しておけば後から確認してもらえるというメリットもあります。

LINEの活用方法

LINEは日本国内で最も普及しているメッセージアプリであり、災害時の連絡手段としても有効です。

  • 家族グループを作成しておく:災害時に一度のメッセージで全員に連絡できる
  • 位置情報の共有:現在地を家族に送信して居場所を知らせる
  • 既読機能の活用:メッセージが既読になれば、相手が無事であることが分かる
  • LINE安否確認機能:大規模災害時にはLINEの安否確認機能が有効化されることがある

LINEは電話機能もありますが、災害時はメッセージを優先して使うことが推奨されています。

Twitter(X)の活用方法

Twitter(X)は、情報収集と安否発信の両面で役立ちます。

  • 公式アカウントをフォロー:気象庁、自治体、警察、消防などの公式アカウントから正確な情報を得る
  • ハッシュタグの活用:「#〇〇地震」「#安否確認」などのハッシュタグで情報を検索・発信
  • リツイートによる拡散:救助要請などの重要情報を拡散できる

ただし、Twitter(X)では誤情報やデマが拡散されることもあるため、公式アカウントや信頼できる情報源を確認することが大切です。

その他のメッセージアプリ

家族や友人との連絡手段として、以下のアプリも活用できます。

  • Facebook Messenger:海外の家族との連絡にも便利
  • WhatsApp:海外で広く使われているメッセージアプリ
  • Googleメッセージ:SMS/MMSとRCSに対応

重要なのは、災害時にどのアプリで連絡を取り合うか、事前に家族で決めておくことです。
「災害時はLINEの家族グループに連絡する」というルールを決めておけば、混乱の中でもスムーズに安否確認ができます。

連絡方法3:00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)の活用

災害時には、「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」という無料の公衆Wi-Fiが開放されることがあります。
格安SIMの回線が混雑しているときでも、このWi-Fiに接続すればインターネットが使えるようになります。

00000JAPANとは

00000JAPANは、大規模災害時に通信事業者や自治体が無料開放する公衆Wi-Fiの共通SSID(ネットワーク名)です。
契約しているキャリアに関係なく、誰でも無料で利用できます。

2016年の熊本地震をきっかけに本格的に運用が始まり、その後の災害でも開放されているとされています。

00000JAPANの接続方法

  • スマートフォンのWi-Fi設定を開く
  • ネットワーク一覧から「00000JAPAN」を選択
  • パスワードなしで接続できる

00000JAPANは避難所や公共施設、コンビニエンスストアなどで利用できることが多いとされています。

利用時の注意点

00000JAPANは緊急時の利便性を優先しているため、通信内容は暗号化されていません
そのため、以下の点に注意が必要です。

  • オンラインバンキングやクレジットカード情報の入力は避ける
  • 重要なパスワードの入力は控える
  • 安否確認や情報収集など、必要最低限の利用にとどめる

災害時のライフラインとして非常に有用ですが、セキュリティリスクを理解した上で利用することが大切です。

事前に知っておくべきこと

00000JAPANは常時開放されているわけではなく、大規模災害発生時に自治体や通信事業者の判断で開放されます。
そのため、「災害時には00000JAPANという無料Wi-Fiが使える可能性がある」ということを家族で共有しておくと良いでしょう。

今すぐできる災害への備え

今すぐできる災害への備え

ここまでご紹介した3つの連絡方法を有効に活用するために、今すぐできる準備をまとめます。

家族で「災害時の連絡ルール」を決める

最も重要なのは、災害時にどの方法で連絡を取り合うか、家族で事前に決めておくことです。

  • 「災害時はまず171に伝言を残す」
  • 「LINEの家族グループにメッセージを送る」
  • 「〇〇を集合場所にする」

このようなルールを決めておけば、パニック状態でも落ち着いて行動できます。

171と web171の体験利用をしておく

災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(web171)は、定期的に体験利用期間が設けられているとされています。
家族で一緒に体験しておくと、いざというときにスムーズに使えます。

防災アプリをインストールする

SIMフリースマートフォンで緊急速報が届かない可能性がある方は、防災アプリのインストールが必須です。

  • Yahoo!防災速報:地震、津波、豪雨、避難情報などをプッシュ通知
  • NHKニュース・防災:NHKのニュースと防災情報をリアルタイムで配信
  • 特務機関NERV防災:シンプルで見やすいデザインの防災アプリ

データ専用SIMの方は音声通話SIMへの変更を検討する

データ専用SIMでは110番や119番に電話できないという重大なリスクがあります。
災害時だけでなく、火事や急病、事故などの緊急事態に備えて、家族の中で最低1台は音声通話SIMを契約しておくことを強くおすすめします。

モバイルバッテリーを常備する

災害時に停電が発生すると、スマートフォンの充電ができなくなります。
どんなに連絡手段を準備しても、バッテリーが切れてしまっては意味がありません。
モバイルバッテリーを常に充電した状態で持ち歩くか、自宅に備えておくことをおすすめします。

まとめ:格安SIMでも正しく備えれば家族を守れる

まとめ:格安SIMでも正しく備えれば家族を守れる

この記事では、「格安SIMは災害時に繋がらない」という不安に対して、その真相と具体的な対策をお伝えしました。

重要なポイントを整理します。

  • 格安SIMは大手キャリアの回線を借りているため、災害時の基本的な通信条件は同じ
  • 災害時の通話制限は格安SIMも大手キャリアも同様に影響を受ける
  • 格安SIMはデータ通信の混雑が起きやすいという弱点がある
  • データ専用SIMでは110番・119番に電話できない
  • 「電話が繋がらない」ことを前提に、複数の連絡手段を準備することが大切

家族の命を守るための3つの連絡方法は以下の通りです。

  • 災害用伝言ダイヤル「171」と災害用伝言板「web171」:格安SIMからも利用可能な最も確実な安否確認手段
  • LINE・Twitter(X)などのSNS・メッセージアプリ:音声通話より繋がりやすく、メッセージを残せる
  • 00000JAPAN(ファイブゼロジャパン):回線が混雑したときのバックアップとして無料Wi-Fiを活用

格安SIMには確かに弱点がありますが、それを理解して対策を講じれば、大手キャリアユーザーと同等以上の備えができます。

今日から始める家族の防災対策

災害はいつ起こるか分かりません。
この記事を読み終わった今日から、ぜひ以下のことを始めてみてください。

まずは、家族で「災害時の連絡方法」について話し合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
「171に伝言を残す」「LINEの家族グループに連絡する」など、シンプルなルールを一つ決めるだけでも、いざというときの安心感が大きく変わります。

そして、次の体験利用期間に、家族で災害用伝言ダイヤルを一度試してみることをおすすめします。
実際に使ってみることで、災害時にも落ち着いて操作できるようになります。

格安SIMを使っているからといって、災害への備えを諦める必要はありません。
正しい知識と具体的な準備があれば、大切な家族との連絡手段は確保できます。
今日できることから、一歩ずつ始めていきましょう。